法獣医学2

動物虐待を把握することがなぜ大切なのでしょうか。

動物愛護の観点から重要なのはもちろんですが、

それだけではありません。

 

動物虐待は家庭内暴力および社会的暴力のつながりとも

密接に関係してことが明らかになってきました。

 

警視庁のまとめでは

動物愛護法違反(虐待・遺棄など)で摘発される事件は増加傾向で、

20年は102件に上り、

人への暴力行為の予兆になっているとも言われています。

また、

動物は人の健康状態と福祉の指標としての役割を

果たしていると言われています。

動物を不当に扱ったり、虐待する人間は

子供や老人など自分の周囲の弱い立場の人間に対しても

同様の行動を示すことがあるそうです。

さらに殺人で有罪判決を受けた人間は、

動物虐待の経歴を持っていることが多いというデータもあります。

 

つまり

獣医師が動物虐待を発見することは

家庭内暴力児童虐待についての可能性を疑う、または発見する

きっかけになるかもしれないのです。

 

殴る、

揺さぶる、

投げる、

毒を守る、

火傷を負わせる、

熱湯をかける、

首を絞める、

窒息させるなど

様々な形の虐待があります。

繰り返される虐待による骨折や

軟部組織や臓器の損傷もあります。

 

それらが事故(偶発的傷害)ではなく

動物への虐待行為を立証するには、

獣医学的検知からの情報提供が

必須なのです。

 

続く

f:id:pixy122000:20220303175855p:plain