動物の血液と輸血6
動物の輸血のハードルを高くしてる理由に一つは、
血液の確保です。
人の輸血用の稀有的は日本で唯一、日本赤十字社が行う
血液バンク(血液事業)によって確保されています。
動物の場合、
世界的に見ると、
アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの先進国には
公的機関ではありませんが、大規模な動物の血液バンクが複数あり、
犬や猫の血液を必要なときに購入することができます。
一方、日本には大規模な血液バンクがありません。
各々の動物病院が
独自に血液を確保しなければなりません。
現在、日本で犬や猫の血液を確保するために3つの方法があります。
①動物病院や大学病院が持つ血液バンクから血液を確保する
大きな病院や大学病院では独自の小規模な血液バンクを作って
血液を確保していることがあります。
動物病院を訪れる動物の了承を得て、
健康な猫や犬から献血をお願いしてもらい、
血液を確保します。
動物病院によって異なりますが、
献血してくれた方には
健康診断やワクチン接種、
ペットフードの提供などのお礼があります。
実際には血液の保存する設備や衛生管理、在庫管理など
手間やお金がかかるため、
血液バンクを運営することは簡単ではありません。
②同居している動物や友達の動物から血液を確保
多くの病院が血液が必要なときに
血液を確保することが多いと思います。
その方法の一つが、
血液が必要な動物の同居の子や
飼い主さんのお友達に事情を説明して
血液ドナーを探してもらいます。
オーナーさんがドナーを見つけられない時は
動物病院では
あらかじめドナー協力をしてくれるオーナーさんを探し、
登録させていただき、
いざという時に献血をお願いすることもあります。
③供血動物(猫)から血液を確保
動物病院では動物動物病院で
献血のために犬や猫を飼っていることがあります。
供血猫(犬)と言います。
動物病院でペットとして飼育されて、
いざという時に血液を提供するという関係です。
しかし同じ動物でも
献血できる頻度決まっています(体の負荷を考えて)。
連続して同じ動物は使えません。
そんな時は
病院のスタッフが飼っている猫や犬から
血液をもらうことがあります。
動物病院で中〜大型の犬を飼っていることが多いのは、
たくさんの輸血を確保する意味合いもあると思います。
日本では実際は③の方法で確保されることが
とても多いです。
輸血の血液確保だけも動物病院で働くスタッフの様々な努力の結果成り立っています。