大動脈血栓塞栓症5

治療の柱は大きく分けて3本です。

血栓に対する管理

②痛みの管理

③背景となっている病気の管理、全身状態の管理

 

猫の状態や既存の病気などを考慮しますので、

必ずこの治療の柱がマストではありませんが、

基本はこの3つが治療の柱になります。

 

血栓を溶かしたり、血栓をできにくくするような管理をします。

血栓症は大変強い痛みをもたらす病気なので、

絶えずペインコントロールをしていく必要があります。

③大動脈血栓塞栓症が起こった時に、

うっ血性心不全(心疾患を原因として)を起こしていることが多いです。

うっ血性心不全は心臓の機能が落ちる病気です。

そのせいで肺に水が溜まったり、

不整脈が起こっていたりします。

各々対処します。

 

続く

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大動脈血栓塞栓症4

具体的に猫に起こる症状をご紹介します。

特徴的な症状は5つです。

①痛み

ものすごい痛みが猫を襲います。

血栓が飛んで末端で詰まったタイミングでは

猫の叫び声が聞こえることがあり、

それによってオーナーが異常に気づくことがあります。

強い痛みで震えたり、呼吸が速くなる様子が見られます。

②麻痺

血栓が飛んで、

細い血管、足先など末端に血栓が詰まると

詰まった先の血流が途絶えて

麻痺の症状が見られるようになります。

これは後肢が多いですが、前肢にも起こり得ます。

片足<両足で症状が見られます。

③冷感と④蒼白

血栓が詰まった先は血流が途絶えることで、

冷たくなり肉球が真っ青になります。

肉球が黒っぽい子は青になった変化が

ちょっとわかりにくいかもしれません。

血栓症を起こした手足は

他の四肢と比較することで明らかに冷たいことがわかります。

⑤脈がなくなる

猫の股関節、股部分で猫の脈を図ることが多いのですが、

下半身の血管が詰まると個々の脈が消失します。

 

今言った5つは血栓症を疑うためのチェック項目でもあります。

これが症状の全てではありませんが、

非常に特徴的な様態です。

 

繰り返しますが

この病気の発症は

「突然」猫の様子がいつもと比べて

「明らかに異常」で

「非常に苦しむ」様子が

見られます。

こうなったら朝夜時間問わず

病院に駆け込んでください。

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続く

大動脈血栓塞栓症3

そもそも普通は血管内をスムーズに流れている血液が、

なんで塊になってしまうのでしょうか?

一つ目は

血流の速度がゆっくりになり、
停滞することで血液は固まりやすくなります。

人間でもずっと同じ姿勢でいることで、

血流の動きは鈍くなります。(エコノミークラス症候群

二つ目は

血管や心臓の壁が傷つくことで血液の塊ができやすくなります。

三つ目は

血液を凝集させる材料などが増える

血栓が作られるようになります。

 

原因として一番多いのが

心臓に関する疾患が一番多いです。

例えば猫で多い肥大型心筋症という

心臓の筋肉が分厚くなる病気が背景にあることが

多いと言われています。

心疾患が約67割、

その他は甲状腺機能亢進症が原因が1割、

腫瘍が原因であることが1

と言われています。

どれもシニア期に多い病気です。

 

ここで覚えておいて欲しいことは、

大道脈血栓塞栓症という病気が現れるのは

突然ではあるが、

その原因となる疾患は

ずっと前から

猫が抱えている、

ということです。

 

この病気になった猫の多くのオーナー様は

来院時に

「特に基礎疾患はない」

と仰います。

でも違うのです。

「ない」のではなく「見つけられてない」

ことが多いのです。

つまり、

病院で定期的な健康診断か、

何か別のきっかけで検査をしていたら、

心疾患でも、甲状腺機能亢進症でも腫瘍でも、

原因となる疾患に対して、

前の前からアプローチできていれば、

大動脈血栓塞栓症は防げていたかもしれない、

ということです。

もちろんそれらの治療をしていたとしても

100%防げる病気ではありません。

前もって心構えができること、

いざいうときの対応を取れること、

後悔する要因の一つなすことができる

と考えてます。

 

続く

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猫の大動脈血栓塞栓症2

大動脈血栓塞栓症とは、、

まず

血栓塞栓症とは、

心臓や血管で作られた血液の塊が

血管に詰まる病気です。

血液の塊がどこかに詰まることを血栓症と言います。

人間で言うとエコノミークラス症候群ですね。

大動脈という太い血管から細い血管に分岐するところで

血栓は詰まりやすいです。

 

大動脈とは心臓をスタートし、

胸部を下降し(胸大動脈)、

腹部を下降し(腹大動脈)、

足に分かれていきます。

 

猫の場合、

腹大動脈から足に分かれるところで

血栓が詰まることが多いです。

バックグラウンドとして、

心疾患を抱えている場合が7割弱、

甲状腺機能亢進症が1割、

腫瘍が1割程度

と言われています。

 

 

続く

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猫の大動脈血栓塞栓

1) 突然の強い痛み ぎゃーっという声で発見されることも
2)
急に呼吸が荒くなる
3)
口を開け、お腹を上下させた呼吸
4)
腰が抜けたように立てない 
5)
後脚が立てない、又は前足を突っ張っていることも

 

私の感覚では上の15内、主訴が15で病院に来ることが多いように思います.

 

この病気は

多くが何の前触れもなく、

何が起ったのかまったくわからないまま、

急に猫が苦しがり、

慌てて病院に駆け込みます。

 

この場合

大動脈血栓栓塞症

という状態が起こっていることが多いです.

 

ざっくりいうと、大動脈という血管に

血栓が詰まるために起こります。

 

特徴の一つが、

前触れはあまりなく、

急に呼吸苦しそうにハアハアしたり、

なにか腰がふらふらしたり、歩けなくなったりします。

まれに

高い所から落下したのでは?

と思ったら、怪我にしては状態が悪すぎる、

調べて見たらこの病気だった例もあります.

 

100頭中、2-3頭の割合で起こるというデータもあります.

 

続く

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猫の特発性膀胱炎2

「特発性」とはざっくり言うと

「原因がよくわからない」という意味です.

つまり

特発性膀胱炎とは

「原因がよくわからないけど、膀胱炎のような症状を起こしている」疾患

となります.

 

膀胱炎は

細菌感染したり尿結石ができると、

それによって膀胱の壁に傷がつき炎症が起こることがあります.

これは原因が特定できた膀胱炎と言えます.

なぜこれがわかるか、というと

尿を採取して顕微鏡で細菌や石を発見したり、

レントゲンやエコー検査など画像診断を使って

結石などを見つけたり、

身体検査や幾つかの質問による回答から

総合的に判断可能することができます.

 

では原因がない特発性膀胱炎は

どのように見つければよいのでしょうか.

 

ズバリ

尿の検査、画像検査、身体検査など

いろいろな検査をして

細菌も石、そのほか諸々膀胱炎になりそうな有力な手がかりが得られないときに、

「特発性膀胱炎」

と診断されます.

つまり

このような疾患は

確定診断できる方法はなく、

除外診断によって診断される疾患、と言います.

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猫の特発性膀胱炎

猫を飼っていると、

一度は見舞われるおしっこトラブル。

「猫の下部尿路疾患」

といいます。

 

下部尿路疾患とは

細菌感染が原因や結石が原因と言った

特定の原因がある疾患を指すわけではありません。

頻尿や血尿など

膀胱や尿道(下部尿路)にトラブルがあったときに

見られる排尿トラブルを

まとめて下部尿路疾患といいます。

ですので、尿路感染症も尿結石症もそれに含まれます。

 

アメリカの統計では、

一次診療病院に来院した猫の5%に見受けられるほど多いそうです。

 

この下部尿路疾患で多いのは特発性膀胱炎と尿石症ですが、

飛び抜けて特発性膀胱炎が多いです。

下部尿路疾患の中で

60%がコレであるという

統計データもあります。

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