動物の血液と輸血3
猫は
人のABO式血液型と同じように
AB血液型システムの血液型に
対して抗体を持っています。
ですので、
人と同じように
A型の人は抗B抗体
B型の人は抗A抗体
を持っており、
違う血液型を輸血すると
重い副作用が起こってしまいます。
ですので、必ず同じ血液型を輸血する必要があります。
ただし、緊急時にAB型の猫に輸血するときは、
AB型の血液が手に入らなければ、
A型の血液を使う場合があります。
これは、AB型の猫には血球を攻撃する抗体がないためです。
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動物から動物への輸血は、
人よりも早い時期に行われていました。
これは治療目的ではなく、
人の輸血に対する実験です。
人では1667年に子羊の血液を人に輸血した実験が初めてで、
これよりも2年早い、1665年に行われました。
イギリスのリチャード・ロウアーという医師が行いました。
輸血の問題の一つは、
血液を取り出すと血液が固まってしまうことでした。
のちに抗凝固剤を発見するのですが、
初めは血液が固まる前に
レシピエント側に流していました。
犬の輸血の実験で
血液を人為的に抜いた中型雑種犬の頸静脈と
大型犬の頸動脈を銀で作られた管で直接繋いで
血液を流しました。
すると貧血だった犬は元気になり、
見事輸血成功となりました。
これが犬や人の緊急治療としての輸血の始まりと言われています。
しかし血液の型がまだわかっておらず、
人の医療現場で
患者が重い副作用で亡くなって大問題になったため、
ヨーロッパでは輸血を禁止され、
それから150年ほど
医療現場での輸血は行われなかった時期がありました。
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