法獣医学3
動物を虐待する人は
子供時代に何かネガティブな経験をしていることが
あると言います。
自分が当事者、例えば家庭内暴力の被害者であったり、
自分以外の人への暴力や動物虐待を目撃するといった
経験があると、
将来動物を虐待する可能性が高まるというデータがあります。
動物虐待の理由はいろいろあります。
好奇心、探究心
興奮する
傷つけたいという衝動
嗜虐性
など様々な動機が言われています。
中でも一番多いのは
暴力、攻撃による虐待です。
動物虐待をする人の70%は他の暴力犯罪を犯していると言います。
このように
動物虐待は子供や女性への暴力、家庭内暴力といった
社会的な暴力につながりがあり、
動物は人社会の福祉の指標と一つとしての役割があることが
見直されてきています。
海外には、子供や女性の保護施設があるように
動物を守る施設が増えつつあるそうです。
獣医師としてこの問題の役割は
虐待の犯人を見つけることではありません。
疑わしい案件に対して、
身体診察、レントゲン、死亡解剖など
証拠を採取し、カルテに記載、保存し、
引き継ぐべき機関(警察をはじめとした法執行機関)に
引き継ぐことです。
そのためには疑わしき案件を見つける知識と
実際起きた時のプロトコールを準備しておくことが
重要だと考えます。
日本は海外に比べて、
動物福祉全体の意識水準はあまり高くありません。
動物の関係性は人の社会密接しているということは
疑わざる事実です。
理想としては、
獣医師と医師、心理学者、ソーシャルワーカーそして公共機関が
連携して問題に向う体制を整えることではないでしょうか。
終わり