猫の皮膚糸状菌症3〜治療〜

治療方法

真菌症に罹った、皮膚病の猫の治療と共に、

環境の汚染と病気の蔓延を減らすための対策をする必要があります.

それは他の猫にうつさない予防であるとともに、

治療でもあると言えます.

なぜなら真菌が生活環境内にあると

再び感染する可能性があるからです.

 

真菌症に罹った猫に対する治療法として、

まずシャンプーが挙げられます.

普通のシャンプーで洗えばいいのではなく、

専用の薬用シャンプーがありますのでそれを使用します.

頻度は1週間に12回が目標です.

また他にもスプレー、ローション、ムース、

またはクリーム/軟膏にまであります。

毛を刈ることがそれらの治療の有効性をより高め、

環境汚染を減らすという研究もありますが、

それは猫へのストレスを増大させル可能性が高く、

カットの過程やストレスに伴う自傷行為によってできる

皮膚の微小外傷を介した感染の拡大につながる可能性もあるので、

全ての猫にお勧めできる方法とは言い難いです.

これらの方法のメリットは、

薬の全身的な副作用を起こす可能性が低いという

利点があるため、
老若男女を含むほとんどすべての猫に安全に使用できます。

しかし、あくまでこれらは皮下皮膚糸状菌症の補助療法ですので、

単独療法としては適切ではありません。

 

全身療法、つまり薬の摂取が必要になります.

これは感染した動物の毛髪や皮膚内の真菌の増殖を

抑制することを目的としています.

効果が高く広く使われているのが
イトラコナゾールです.

ちなみに副作用の発生率は低いですが、

胃腸障害、肝酵素活性の上昇、および肝毒性が

挙げられます。

治療は上記の二つ、

局所的、全身的、またはその両方である可能性があります.

加えて、感染した猫、感染した猫と濃厚接触をしている動物を

隔離することが一般的に推奨されます。

簡単に消毒できる部屋に隔離することがおすすめです。

猫は隔離されたときにストレスを感じやすく、

特に完全に単独の場合、病気を悪化させる可能性があるので注意が必要です.

 

続く