甲状腺機能亢進症3

甲状腺ホルモンは代謝を調節する機能を持ち、

細胞の新陳代謝を高めたり、

脂肪などからエネルギーを産生します。

なので高齢の猫ちゃんでも

とてもテンションが高く活発で、

食欲がもりもりあるように見えるので飼い主からは喜ばれることがあります。

でもこれは甲状腺機能亢進症の特徴の一つです。

ポイントは「元気や食欲があるのに痩せてくる」です。

 

さてこの甲状腺ホルモンは

心臓にも働きを活発にするので心拍数を上昇させたり、

血圧を上げる役目も担っています。

それゆえに慢性腎臓病を隠してしまうことがあります。

腎臓病は腎臓への血流が減り、

それによって体の老廃物を排出機能が落ちる病気ですが、

甲状腺ホルモンのせいで、

一見その現象が起きていないように見えてしまうのです。

ゆえに、甲状腺機能亢進症が発見された時は

腎臓の血液検査は正常のに、

治療を開始した途端に腎臓の数値が上昇していくので、

驚かれることがあります。

 

愛猫の甲状腺機能亢進症の発見が遅れてしまい、

長い間に体を蝕んでいた場合、

その子の体は慢性的な高血圧の状態になります。

長期間の高血圧は心臓に影響を及ぼし、

その結果、肥大型心筋症という心臓病を発症してしまいます。

肥大型心筋症は心臓の筋肉が肥大することで心臓の動き鈍くなり、

血液を全身に送ることができなくなります。

そうなると胸や肺に水が溜まり、

呼吸困難(胸水、肺水腫)を引き起こす恐ろしい病気です。

 

大切なのは

早い発見によるコントロールや治療です。

そのためには定期的な健康診断(甲状腺の検査)と

「元気でよくたべるけどや痩せる」といった

「ちょっとした異変」に気づき病院を受診することです。

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