難産5
難産と診断された場合,
治療法を決める一つのポイントは
胎児の心拍数です。
心拍数がある程度安定していれば(200回/分程度),
薬などを使った内科処置を試す余裕がありますが,
胎児の心拍が低いと胎児が弱っている指標であり,
一刻の猶予もありませんので,
帝王切開という緊急手術になることが多いです。
もし胎児が元気で,かつ
姿勢や大きさの問題で出産が妨げられていないのであれば,
内科的治療を試みます。
陣痛が弱かったり,子宮無気力症という子宮が胎児を押し出す力がない場合が多いです。
フェザーリングという方法は,
産道に指を入れて刺激します。
これは陣痛を促すホルモンの分泌を促すことができます。
このホルモンをオキシトシンと言います。
このオキシトシンを注射で投与する方法もあります。
母体は低カルシウム血症になっていると言いました。
オキシトシンの分泌にカルシウムが関わっています。
ですので,注射によってカルシウムが投与されることで
分娩を促す治療法もあります。
このようにお腹を開かず内科的に治療する方法で分娩できる確率は
20〜30%と言われています。
これでダメなら外科的手法に進みます。